長期修繕計画

長期修繕計画書は、経年劣化する建物を計画的に維持管理するための修繕時期と内容、費用などを算出したものです。スムーズな長期修繕工事を行うためには計画的な修繕費用の積み立てが不可欠です。

チェックポイント他

主なガイドライン

外壁補修・・・目安は10~15年程度

建物構造体の劣化部の補修、仕上材の塗装、目地シーリング材の補修の他、必要に応じてバルコニー、開放廊下などの床防水補修を含むことを明記しています。工事費もこれらを加えたものになっています。

屋根防水補修・・・目安は20~30年程度

・陸屋根:
保護層をもつ場合は、20~30年程度になります。

・傾斜屋根:
瓦、アスファルトシングル、化粧スレート板などの屋根仕上げ材及び下地に防水層を持つ場合は20~25年程度になります。

住戸玄関扉の更新・・・目安は25~35年程度

住戸玄関扉、パイプスペース扉、メーターボックス扉などは鋼製のものが多く、通常鉄部塗装によりメンテナンスされています。しかし、20年を超えたものでは枠廻り、丁番等の金物類に傷みが出るものが多く、さらに、25年を超えると扉本体にも傷みが出てきます。

扉に付帯する金物類は部分修繕が可能ですが、扉は更新となります。特に、下枠部分の傷みが早いようです。扉枠は更新が困難なため、既存の扉枠の上から新しい枠を設ける工法(カバー工法)などが採用されています。

バルコニー・廊下などの手すり更新・・・目安は25~35年程度

バルコニー・開放廊下の鉄製手すりは、通常、鉄部塗装によりメンテナンスがなされていますが、大規模修繕時にアルミ製品に更新するものも多くみられます。従って、長期修繕計画に項目と予算を計上しておく必要があります。また、これらの更新には足場架設が必要なことから、外壁などの大規模修繕と同時に行う必要があり、これを前提として修繕予定時期を設定します。

建物診断・設計・工事監理など・・・対応時期の目安は実施の1~2年前から

外壁・屋根・給排水管更新などの大規模修繕工事を実施する際には、前もって診断により傷みの状況を把握する必要があります。その劣化状況によってり修繕時期を設定し、修繕工事の仕様書作成などの設計業務が行われます。

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